逆流性食道炎(胃食道逆流症)
胃酸が食道へ逆流することにより、食道の粘膜に炎症による障害が生じ、胸のあたりが焼けるような症状(胸やけ)、胃酸が上がってくる感じ(呑酸)などの症状を起こす病気です。
胃カメラで食道の炎症を確認できる“びらん性胃食道逆流症”と、粘膜に異常がみられない “非びらん性胃食道逆流症”(NERD non-erosive reflux disease)に分類されます。
日本人の約10%にGERDがみられ、その半数以上をNERDが占めています。よって、胃食道逆流症は、自覚症状と胃カメラにより診断することができ、治療は、胃酸の分泌を抑えるお薬が有効です。
【主な症状】
- 胸やけがする
- みぞおちのあたりの痛み、違和感
- 酸っぱい液体が上がってくる
- のどの違和感、咳
機能胃腸症(機能性ディスペプシア)
胃の痛みや胃もたれの症状が続いているにもかかわらず、胃カメラで異常所見をみとめないもので、機能性消化管障害の代表の一つです。
胃カメラで異常所見を認めないことが診断に必須です。
原因はさまざまで、消化管の運動障害や内臓知覚過敏、腸内細菌叢(腸内フローラ)などがあり、治療は、生活習慣の改善を試みながら、腸管運動調整薬や漢方薬などを使用します。
胃・十二指腸潰瘍
胃や十二指腸の粘膜が深く傷ついている状態で、さらに潰瘍が深くなると出血や穿孔といった重篤な状態になることがあり、早めの診断と治療が必要です。
ピロリ菌の感染によって起こるケースが多く、次いで鎮痛薬の服用によるものがあります。
ピロリ菌の感染が分かれば、除菌治療を受けることが重要です。
【主な症状】
- 空腹時や食後などの決まったタイミングで起こるみぞおちの痛み
- 背中の痛み
- 吐き気、嘔吐
- 食欲不振
- 黒っぽい便